田嘉里酒造
創業1950年の礎 長寿の里、大宜味村の旨し湧き水
沖縄本島最北端の酒造所♡
今回で2度目の見学になります。前回は泡盛マイスターになるための勉強途中、講義を受けていて実際に見学したいと思い立った時でした。県内47酒造所(泡盛)ある中で多くの酒造所を見学したいと考えたところ単純に北から攻めようという考えで見学させていただきました。その当時も学びは多く、「講義で言っていたのはこの事か!」と衝撃を受けたのを覚えています。
今回2度目の見学は田嘉里酒造の特徴をしっかり感じ取る事とブログを拝見して勝手にファンになっていた池原文子さんとお友達になる事♡でした。
田嘉里酒造は沖縄本島の最北端にあるです。もともとは「親田」「屋嘉比」「見里」の3村が合併し「田嘉里」という集落ができました。
2016年9月にヤンバルの森が国立公園に指定される程、動物・植物にとってとてもいい環境が残されています。そんな山原(やんばる)の森から湧き出ている天然水を利用して田嘉里酒造さんの泡盛は作られています。
山原の土地は赤土で南部(石灰岩)に比較すると水の硬度は軟水傾向だと考えられますが、さらに鉱物を取り除き軟水にされた水を使用しているようです。口当たりはさらりと軽やかな泡盛が出来上がりそうですね。
原料のタイ米。酒造組合が一括でタイ米を購入して各酒造所に配布しています。
タイ米(インディカ米)は日本人が食しているジャポニカ米とは性質が異なっています。見た目は細長く、蒸した後もパサパサしており、パエリアやピラフに好まれて使われるお米です。
田嘉里酒造さんの回転ドラム。中も見せて頂きました。このドラムで浸漬・洗米・蒸米を行うので、ざるのような細かい網目がありました(この写真には写ってはいませんが)。
製麹(せいきく)の作業では黒麹菌が繁殖しやすいように温度・湿度管理はどの酒造所さんも気を遣っています。この日は寒かったので、白熱電球で保温をしている様子です。
三角棚の蓋の開閉具合で温度管理を行っているのは見たことはありましたが、白熱灯を使用しているところを見たのは初めてだったのでテンションあがりましたよ♡
醪の仕込みたて。まだ発酵は始まっていません。麹と水と酵母をまぜたばかりでこれからアルコール発酵が始まるところ。細かい泡が見えるのはタンクに材料を入れた際にできた泡です。
醪 仕込み7日経過。発酵が行われています。泡がぽこぽこ見えるのがアルコール発酵の際に出てくる二酸化炭素です。見えますか?
このアルコール発酵、発酵の要である酵母は人の生活を豊かにしています♡
アルコール産生が得意な酵母を使用するのは酒造、アルコール産生がそこまで得意ではない酵母を使用するのはパン製造に利用されています。
醪 仕込み14日目。発酵もだいぶ落ち着いてきました。やっぱり蓋を開けた時の香りは好き。アルコールの刺激もしますが、甘みが増した泡盛の香りがします。酒造所を見学する際にはぜひこの香りを楽しんでほしいです♡
醪 仕込み21日目。もうそろそろ蒸留する頃の醪、黄色の液体に変化しています。見える米の量が減っています。
沖縄のお酒造りには黒麹菌が大活躍してきました。亜熱帯地域である沖縄では飲食物は腐敗しやすい状況にあります。醪が腐敗しにくいのは黒麹菌が産生するクエン酸にあります。麹に酸度があるおかげで腐敗しにくくなり安全にお酒造りができました。黒麹菌は沖縄にとって泡盛にとって宝ですね♡
蒸留器。醪を蒸留して泡盛にしていきます。蒸留することでアルコール度数が高まっていきます。蒸留し始めてすぐに出てくるのは60〜70度のアルコールが出てきます(初留)。それから徐々にアルコール度数は低下していきますが、蒸留を続けていくとアルコールだけではなく、他の成分も混ざってきます。
蒸留の後半になればなるほど焦げ臭や油臭が強くなってきますが、どの程度で蒸留を終了するかは各酒造所で異なっています。そのため、泡盛の風味や味に違いが出ています。そのほかにも風味や味に影響を与える要因は様々にあります。(原料米の種類・形、麹の状態、蒸留方式、貯蔵方法などなど…)
濾過器。田嘉里酒造では冷却濾過と濾紙濾過をしています。上の緑のタンクが冷却器でアルコールを冷やすことで油分や不純物を取りやすくして除去しています。また、濾紙をいくつも重ねたフィルターに通すことでさらに不純物を取り除き、さらりと軽やかな泡盛が出来上がります。
田嘉里酒造は小さな酒造所なので手作業で行うことがとても多いです。1つ1つ愛情を込めて出来上がった泡盛はまた違う美味しさを感じることができます♡
私の憧れの泡盛マイスター先輩の池原文子さんと念願の2ショット♡
池原さんは「まるた娘」として楽しく面白く泡盛の情報発信をされています。何度も拝見して勉強しています。本当にブログは面白のでチェックしてみてください♡
見学日:2017年03月02日
文:泡盛マイスター 新里 葵
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